新しい教育へ〜長澤佳則〜

教育コンサルタントとしての活動報告をしております

2022年の振り返り

2022年は想像していた以上に、 自分のアイデアの多くを実現することができた年でした。

 


JTBさんとコラボして中3の総合的な学習の時間で行った「 魅力的な海外ツアーを企画しよう!」、SDGsのテーマを探究す る高1の総合的な探究の時間、教員の仕事を疑似体験しながら学べる「教員志望プログラム」、 イギリスでスポーツしながら英語を学べる「スポーツ文化研修」、 高校サッカー部でようやく形となった「パスサッカー」など、 実現するまでに多くの苦悩がありましたが、 どれも生徒が主体的に学べるものとなりました。

 


Googleの「20%ルール( 従業員が勤務時間中の一定時間を、 通常の職務から離れて自分自身が取り組みたいプロジェクトに費や すことができる制度)」が新たな価値や商品を生み出すように、 授業のない空きコマや学校の長期休暇中にいろいろな人と会って情 報交換をしたり、 自分のアイデアが実現することを信じてアクションを起こし続けた ことで、学校に新しいコンテンツを作ることができました。また、 子供たちが社会に出たときに、 学校で学べてよかったと思えるようなコンテンツを情熱をもって作 成していれば、それを実現するために欠かせない「仲間」 が現れて、 手を差し伸べてくれることを身をもって体験できました。

 


特に、来年度高校2年生が「総合的な探究の時間」 で使用するワークブックは能率手帳で有名なNOLTYプランナー ズさんが興味を持ってくださり、商品化まで行きつきました。「 総合的な探究の時間」 はどの学校もどのように進めていけばよいかを悩んでいる科目です 。様々な企業さんが「総合的な探究の時間」 についての教材を出していましたが、 どれも完全に納得いくものではありませんでした。 私が求めたのは、① チームではなく生徒一人一人が独自で探究できること、② 企業や地域が提示した課題案件ではなく、 自分の興味関心からスタートして社会課題を解決していくこと、③ キャリア教育に役立つこと、の3つでした。 ちょうどコロナ禍で時間ができたときに考え始め、 コツコツとワークシートを作り、 それがある程度の枚数に行ったときに、 学校としてお付き合いのあったNOLTYプランナーズさんに情熱 をもって語ったところ、「 他の学校にも展開できるように商品化しましょう」 と手を差し伸べてくださりました。

 


商品化される教材は「探究ノートMyBiz編」というワークブックで、 生徒一人一人が自分の興味関心を基に「起業」を疑似体験し、 起業家精神であったり、 起業するためのプロセスを学ぶことができます。ある統計調査によると、 日本人で起業意識を持つ人の割合は10.6%しかなく、 同じアジアの国である中国人は74.9%、アメリカ人は67. 2%であり、調査対象の50か国で日本は最下位だそうです。 日本で起業家精神が身につきにくい要因は様々ですが、 日本の学校教育が大きな問題となっているように私は思います。 日本の学校では教育現場の効率化を求めて模範解答があることしか ほとんど教えません。これは「 言われたことをきちんと行うことができる」 公務員や企業の駒として働ける人材を生み出すには最適ですが、 起業家精神の育成とはあまり結びつきません。 起業家に求められるものは、人と違う視点で、失敗を恐れずに、 何度でも挑戦する精神です。政府は今年の4月に、 スタートアップに対しての年間投資額を現在の約1兆円から5年後 には10兆円規模へと進めていくことを方針として打ち出しました 。大学には約1000億円、高校には10億円の予算を振り分け、 起業家精神を育成する教育を政府は推進しています。 もちろん誰しもが起業を目指すべきではないですが、 高校生の段階で起業を疑似体験しておくことで、 大人になって転職を考えたとき、 または大学で起業をしたいと思ったときに、 起業することに対して一歩踏み出しやすくなるかと思います。

 

 

私自身が失敗を恐れて挑戦をしていかなかったら、 目の前にいる生徒たちの起業家精神は育っていきません。生徒の模 範になれるように自分自身がどんどん新しいことに挑戦していきま す。

 


何度失敗しても立ち上がる精神を

 


長澤 

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