新しい教育へ〜長澤佳則〜

教育コンサルタントとしての活動報告をしております

学級担任制に関しての改革案

今回は「学級担任制のあり方」に関して書きたいと思います。

 

茨木県の取手市が2021年度から小中学校で「全員担任制」を実施するという記事が出ていました。全員担任制とは学級運営を教員一人に任せずに、複数教員が交代で学級を見る仕組みです。
学校改革で注目を浴びている千代田区麹町中学校でも2018年度からこの全員担任制が導入されています。


これまでの1クラス1担任による固定担任制では、子供たちや保護者にとっての学級の良し悪しは、多くの場合、担任に紐づけられる傾向にあります。

学級で問題が起きれば、子どもたちや保護者は担任の責任にしたり、また担任の方でも自分で問題を抱え込んでしまい、中には自分の学級の生徒の人生すべてを背負っているかのように思ってしまう人もいます。


固定担任制を廃止して全員担任制にすれば、学級で問題が起こった時に、教員一人で問題を抱え込むといったことや、責任が一人の教員に集中すると いったことが少なくなります。


取手市で行われた全員担任制の説明会では、「人気の教員に生徒の相談が集中し、その教員に負担がかかりすぎるのでは?」などの意見が出たそ うですが、全員担任制の方向性に反対意見はなかったそうです。

 

私も1クラス1担任の固定担任制を見直す時期が来たのではと思っています。

自分の働いている学校でも、固定担任制の弊害を感じる部分があり、とりわけ若手教員が何か学級でうまくいかなかった時に、責任を感じすぎて心身とも に疲れていることが時々見受けられます。
そういった教員を守るためにも、日本の伝統的な固定担任制を変えていく必要性があると思います。

 

私の個人的な考えでは、ある程度責任の所在がはっきりしている方が教員は緊張感をもってクラスに対して接することができるので、全員担任制ではなく、2人で2クラスをみる担任制度が良いかと思っています。

またベテランと若手でペアを組むようにすれば、若手はベテランの知恵を借り、ベテランは若手の新しいアイデアを協力しながら実行することができます。

どの学校も朝のHRと帰りのHRがあると思うので、例えば、朝はA 先生がaクラス、B先生がbクラス、帰りのHRはA先生がbクラス、B先生がaクラスを見て、翌日の朝はA先生がbクラス、B先生がaクラス、帰りHRはその逆を行えば、バ ランスよく2クラスに接することができます。

 

教員でも、クラス運営がうまくできない人はいます。

教室の清掃がいい加減、生徒の気持ちがわからずに指導、注意しても生徒が聞かないなど、このような状況があるのは事実です。

中には、学年の教員と連携をとらずに自分勝手に クラス運営をしてしまう人もいます。

2クラスを2人で担任していけば、互いの苦手な部分を補うことができるし、何かあった時には一人で責任を抱えることなく、チームとして取り組めるし、さらには、学級担任の「暴走」も防ぐことができるのです。

 

一人で学級運営をするのではなく、教員がONE TEAM(ワンチーム)となって生徒対応ができるような学校のあり方を日々模索していきたいと思います。

 

持続可能な学校運営を目指して

 

長澤