新しい教育へ〜長澤佳則〜

教育コンサルタントとしての活動報告をしております

【合格体験記】慶應義塾大学⑤(毎週月曜配信)

Kさん 慶應義塾大学 総合政策学部(定員150名)
AO入試(総合型選抜)合格 2021年4月入学
受験について
・選考:書類審査、プレゼン動画

 

〇合格した大学を教えてください。

 

私は慶應義塾大学総合政策学部に合格しました。


〇通っていた高校で総合型選抜で大学を目指している生徒はどのくらいいましたか?


私が通っていた高校は、比較的推薦入試で大学へ行く生徒が多かったです。あと海外大学に進学をする生徒も多かったです。

 

〇海外へ留学はしていましたか?


私は高校1年生の夏から高校2年生の夏まで海外留学していました。10か月間、カナダのバンクーバーにいました。

 

〇留学先ではどのようなことをされたのですか?


カナダには日本人留学生が他にもいたのですが、私は「留学中は絶対に日本語を使わない」と自分でルールを決めて、英語で様々な国の人達とコミュニケーションをとっていました。
あとは現地のビジネスクラブに所属したり、現地の高校生とダンスグループを結成して、いろいろと活動していました。

 

〇ビジネスクラブでは具体的に何をしていたのですか?


カナダの職人さんが作るガラスのストローを販売していました。当時カナダは、プラスチックのごみ問題に取り組んでいたので、プラスチックストローに代わるガラスのストローを広めることでプラスチック問題を解決しようと、学生チームで動いていました。この活動が州から認められて賞を頂きました。

 

〇留学から帰ってきてからはどのようなことをしていたのですか?


仲が良かったトランスジェンダーの同級生が学校生活でストレスを感じないように、留学する前から学校のルールを変えるための活動をしていました。具体的には、学校の先生方に、着たい制服が着れるように校則を変更できないかと相談に行っていました。
カナダに留学に行って、日本人の「多様性」に関する考え方が遅れていることを痛感しました。カナダで多様性がどのように尊重されているかを、写真や文章で記録をとり、その資料を基に、留学後に同級生と学生団体を立ち上げて、学園祭でLGBTQに関するワークショップを開きました。当時はLGBTQという言葉がまだ多くの人に知られていなかったので、LGBTQの人達がどのような気持ちで社会を生き抜いているのかをワークショップを通じて啓蒙していました。

 

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〇志望校を決めたのはいつだったのですか?


もともとは早稲田大学国際教養学部に行きたいと思っていたのですが、高校3年生になってから慶応義塾大学の総合政策学部を受けようと思いました。
私の時は慶應SFCは夏入試と秋入試があって、夏に落ちてしまっても秋入試に出願することができました。結果的には夏入試で私は合格できたのですが、不合格になってしまった時のために秋入試での志望理由書作りもしていました。夏入試で出願したものとは少し変えています。
また、早稲田大学国際教養学部AO入試で出願をしました。試験前に慶應SFCが決まっていたので、実際は試験を受けてはいません。

 

〇出願時に英語の資格は何か持っていましたか?


留学から帰ってきてから、いろいろ対策をしてTOEFL iBTで98点、英検準1級を取得しました。

 

慶應義塾大学に出願した志望理由書にはどのようなことを書きましたか?


一番最初に書いたことは、慶應で学びたいことよりも、実現したいことを書きました。自分の夢みたいなものです。

その当時は、ダイバーシティー(多様性)のことを常に考えていたので、ユニバーサルデザインを具現化したいと書いたと思います。ユニバーサルデザインは、マイノリティーや個性を持った人たちの方が、発想力豊かに考えることができると思うので、そのような人達と協力して社会を作っていくデザイン会社を作りたいと書きました。
なぜこのような考えに至ったのかというところで、高校時代のLGBTQの活動のことを書いたりしていました。
なぜ慶應SFCかということに関しては、鈴木寛先生のゼミに所属したいということを書きました。

 

〇なぜ鈴木寛先生のゼミに入りたいと思ったのですか?


鈴木寛先生の「熟議」に関する記事を読んだときに、「これだ!」と思いました。「自分の属するコミュニティの問題について、当事者として考え、意見を出し合い、解決策を考える取り組み」、これこそ私が大学でやっていきたいことだと思いました。
そこから鈴木寛先生のことをいろいろと調べて行く中で、ゼミ生の人たちがとにかく行動をベースにして学びを深めていっていることを知って、自分のスタイルに似ていたので、鈴木先生の元で学びたいと思いました。

 

〇実際に鈴木寛先生の本を読んだりしていましたか?


とくに読んでいません。慶應SFCの他の先生の本や論文等も読んでいませんでした。

 

〇その他慶應の出願で意識したことはありますか?


自由記述の方で、自分の強みであるデザイン力を示すために、A4の紙2枚を1枚と見立ててそこに自分の強みに関しての資料を作りました。
任意提出書類では、高校時代にたくさんプレゼンをしていたので、そのプレゼン資料、主にジェンダー問題に関するものだったのですが、それを提出しました。
部活動のこと、学業のこと、留学のこと、ジェンダーのこと、この4点にまとめて提出しました。

 

慶應義塾大学のAO入試で受かるためには何が大切だと思いますか?


同級生でも慶應のSFCを何人も受けているのですが、不合格になってしまっている人がほとんどでした。
入試後にその子たちの志望理由書をみせてもらったのですが、きれいな言葉でまとめられていて、本音の部分があまり見えてこないように感じました。
実際に慶應の先生方も言っていたのですが、志望理由書が本音で書かれているかどうかが大切だそうです。
先生曰く、文章を読めば、それが本音かどうかすぐにわかるそうです。
また、SFCでも総合政策学部環境情報学部では求められている志望理由書が異なっていると思います。
総合政策学部は、「社会課題を自分の思いと行動力で解決したい」という書き方でいいと思うのですが、環境情報学部は、研究テーマをきちんと定めて先行研究もたくさん調べていることを志望理由書に書かなければいけないのかなと思います。「自分がこれまでこういう研究してきて、世界ではここまでわかっている。だから自分はこういう方法で大学に入って解決していきたい」ということを書かなきゃいけないのかなと。
総合政策学部では、やってきた「行動」が大切。
環境情報学部では、やってきた「研究」が大切。
私はそう思います。

 

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