新しい教育へ〜長澤佳則〜

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【合格体験記】早稲田大学②(毎週月曜配信)

Kさん 早稲田大学 社会科学部
グローバル入学試験(総合型選抜)合格 2022年4月入学
受験について
・1次選考:書類審査
・2次選考:小論文

他の合格校:国際基督教大学上智大学 総合グローバル学部

 

〇英語の資格は何か取得していましたか?


高校1年生のときにTOFLE IBTで99点とりました。中学校の時にインターナショナルスクールに通っていたため、英語は得意でした。

 


〇総合型選抜で受験しようと思ったきっかけは?


高校1年生のときに友達が河合塾に通っていて、机に向かってずっと勉強している姿を見たときに、自分は別の方法で大学進学したいと考えるようになったからです。


〇課外活動で何か力を入れていたことはありますか?


特に課外活動に力をいれていたことはないですね。

 

〇総合型選抜で自分をアピールする際の強みは何でしたか?


私のバックグランドを強みとしていました。親の仕事の関係でインドネシアとタイに7年ずついて、東南アジアの経済活動に興味関心がありました。特に、経済学でもあまりフォーカスされていないようなローカルな経済学、例えばタイの屋台経済や闇市のようなものを自発的に調べたりしていました。早稲田、ICU上智、全ての志望理由書のベースにタイの経済を置きました。

 

〇タイの経済について志望理由書でどのように書いたのか教えてくれますか?


私が高校1年生ぐらいのときに、タイの政府が屋台の規制を始めました。タイの人達は1日1食は屋台で食べるというデータがある中で、タイの政府は、屋台はこれまで税金を納めてこなかったから国の経済の発展に貢献していない、不衛生で疫病を流行らせたりする場所であるとして規制に踏み出しました。
私はタイの屋台に価値があると考えていたので、どうにか屋台文化を守れないかと考えていました。
早稲田の社会科学部は、学部長が都市デザインの専門家であったので、タイの屋台経済を都市デザインの観点で残していくことができるのではということを志望理由で書きました。
上智開発経済学で特に闇市を研究されている教授がいたので、その方に寄せて、屋台ビジネスの税金問題を解決する手段を研究していきたいと書きました。
ICUも上智と同じようなことを書きました。

 

〇それぞれの大学の教授の論文や本を読んだりしていましたか?


はい。1人の教授につき論文を2本程度は読んでいました。自分が研究していきたい分野に関する論文を中心に読むようにしていました。

 

〇それぞれの大学の小論文試験について教えてください。


ICUの場合は、受験会場で小論文を解くのではなく、テーマが自宅に送られてきて、2000字程度書くものでした。お題は、「科学的に正しいとは何か」でした。
上智は、会場で小論文を解きました。社会問題について自分の意見を述べる形でした。
早稲田の場合は、新聞の社説を要約して、それに対してどう思うかという形でした。

 

〇小論文の対策はどのようにしていましたか?


一日一本小論文を書くようにしていました。添削は自分が通う学校の国語の先生にやってもらいました。

 

〇小論文を書くコツって何かありますか?


私の場合は、どのテーマであっても自分のバックグランドと結び付けて書くようにしていました。自分事として書く方が、読み手に良い印象を与えることができると思ったからです。
例えば早稲田の社会科学部の場合、テーマがヤングケアラーに関してだったのですが、私や私の家族は海外に住んでいたので、日本に住むおじいちゃんおばあちゃんのケアをすることができませんでした。グローバル化が進む中で、そのような家族が増えていくので、ヤングケアラーに頼ることのない社会福祉制度を作る必要性があると書きました。
とにかく自分のバックグランドや原体験を交えながら、自分にしか書けない小論文を書くことを意識しました。
志望理由書は個性を出すもの、小論文は文章力・論理的思考力を表現するものと一般的に言われますが、私は小論文でも自分の個性を出すべきであると考えていました。
志望理由書で書いたことと小論文で書いたことが繋がっていれば、大学側に自分の一貫した考えを伝えることができると思ったからです。

 

ICU上智は面接があったと思うのですが。


ICUはZOOMで面接を行いました。3割ぐらい英語で話した覚えがあります。前半は志望理由書のことや海外で住んでいた時のことを聞かれました。後半では、小論文で書いたことに関して質問をされました。「科学的に正しいとは何か」という問いに対して私は、イグノーベル賞の「猫は液体である」というのを論理的に証明した人を例に出したので、面接官から、「その例はどうやって知ったの?」と聞かれました。
上智大学の方は、2人面接官がいて、1人はニコニコして、もう1人はツッコミをいれる人でした。
聞かれたことは、私のバックグランドと志望理由書のことでした。日本語だけで面接が行われました。


〇他に受験はしていましたか?


慶應義塾大学総合政策学部を受験しましたが、残念ながら落ちてしまいました。慶應のAOでは、自分のやってきたことをPDFで提出しなければいけなかったのですが、高校からの活動ということだったので、なかなかアピールできませんでした。志望理由書でも、開発経済学専門の教授が慶應にはいなかったので、自分としても納得のいくような志望理由書を書くことができていませんでした。

 

〇最後に総合型選抜でこれから受験を考えている人に向けて何かメッセージをもらえますか?


繰り返しになりますが、小論文で自分の色を出すことが大切だと思います。また、自分が読み返して面白いと思わないような小論文は、当然のことながら、読み手である大学側の人達にも面白いと思ってもらえないと思うんですよね。
だからこそ、自分のバックグランドや原体験を小論文に盛り込んで、自分の考えを表現した方がいいと思います。

 

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【合格体験記】慶應義塾大学③(毎週月曜配信)

Sさん 慶應義塾大学 総合政策学部(定員150名)
AO入試(総合型選抜)合格 2022年4月入学
受験について
・1次選考:書類審査
・2次選考:面接

 

他の合格校:慶應義塾大学 法学部・文学部

 

〇合格した大学を教えてください。

私は慶應義塾大学総合政策学部と法学部、文学部の3つに総合型選抜で合格しました。

 

〇英語に関して何か資格を持っていましたか?

英検準1級を取得していました。通っていた学校が英語にかなり力を入れていたため、多くの生徒が英検準1級を取得していました。私は高1の第3回の試験で取得しました。

 

〇どんな高校生活を送っていましたか?

私は小中高大一貫の女子校に通っていました。全体の3分の1はそのまま内部進学をする学校です。私も当初はそのまま内部進学をしようと思っていましたが、高校2年生になる頃から周りが塾に通うようになり、私も塾に通うことを考え始めました。高校1年のときから課外活動をしていたため、一般入試ではなく、総合型選抜で大学受験をしようと思っていたので、総合型選抜の対策をしてくれる塾に入りました。ただ、総合型選抜で落ちてしまったときのことも考えて、慶應義塾大学の一般入試だけは考えていました。受験科目数が少なかったので。

 

〇課外活動は何をされていましたか?

バレエを幼少期からやっていました。高校1年生の時はバレエのプロを目指して努力していました。
高2になるタイミングで、バレエ留学をすることも考えていたのですが、自分の進路を考えたときにバレエの道ではなく大学進学の道を選びました。


〇その他は?

学校内で国際問題について考えるサークルを高校1年生の時に立ち上げました。30名くらいでおこなっていましたね。
中学生の時から模擬国連をやっていて、もともと国際問題に興味を持っていました。ただ、高校の模擬国連はより競技性が強すぎて、自分にはその雰囲気が合いませんでした。
それでもう少し身近な国際問題に取り組めるサークルを作りたいと思って設立しました。

 

〇サークルではどのような活動をしていたのですか?

高2の秋にアメリカのサンディエゴ大学が主催するJacobs Teen Innovation Challengeという半年かけておこなうプログラムに参加して、バレエをテーマにしてクラシックバレエの中のサステイナブルを見つける活動を行っていました。

このプログラムでは毎週課題が出されて、その中に自分のテーマに関連する企業にアポをとってインタビューをすしていました。

活動を通じて、バレエで使われている靴が大量生産大量廃棄されている状態をどうするかという問題を知り、バレエ関連企業と一緒に解決策を考えました。

解決策として、リサイクルの観点でバレエシューズからキーホルダーを作ることを考えましたが、企業にとってリサイクル商品はかなりコストのかかるものなので、いったん商品化は保留になってしまいました。

その時初めて、バレエ団であったり、バレエ関連企業にお金がないという問題を知りました。

 

慶應義塾大学総合政策学部への志望理由書ではどのようなことを書いたのですか?

上記の経験談を述べた上で、大学に入ってからバレエ業界の経済が活性化するようなエコサイクルを作っていきたいと書きました。
なぜ総合政策学部でなきゃいけないかという理由に関しては、バレエ業界の健全なエコサイクルを作るには、専門的な知識を学ぶだけではなく、人と人とを結びつけるようなアクションを起こしていかなければいけない、だからこそ「行動」を重視する総合政策学部が一番自分の進路先に適していると書きました。
またバレエ界の現状を、政策的、企業的、歴史的な観点で分析をしたものも志望理由書に載せました。


〇法学部の志望理由書ではどのようなことを書いたのですか?

総合政策学部のものとは全然違っていて、「気候変動訴訟」についてより深く学んでいきたいと書きました。
もう少し具体的に言うと、他国では市民団体が行政に対してもっと環境政策を推し進めるように訴訟を起こしたりしているのですが、日本では裁判を通じて行政の環境政策に働きかけていくということは一般的ではありません。
大学4年間で司法がどう環境問題に向き合えるかを学びたいということを志望理由書で書きました。
この志望理由書のために、法学や環境法などの本や論文を50本近く読みました。

 

〇もともと法律に興味あったのですか?

中学生の時に東京都弁護士会がやっているジュニアロースクールに参加していたので、法律に興味はありましたね。

 

〇法学部のFIT入試(総合型選抜)はA方式とB方式両方出願されたのですか?

はい。私はB方式で合格をもらいました。
A方式では50分の講義を聞いた後に論述試験で要約と意見を書きました。その後の口頭試問では、私のときは安楽死を認めるかどうかを聞かれました。
B方式では、小論文試験で、データの分析を400字、与えられたテーマに関して400字書きます。その後の面接では、志望理由書に書いた先行研究に関して問われました。


〇文学部の総合型選抜に関して教えてください。

文学部の志望理由書では、環境問題に焦点を当てて書きました。
日本はもともと自然に神が宿っているというアニミズムの思想をもっていましたが、近代化によって環境問題が発生してきました。

日本文化をどのように活用したら環境問題を解決できるかを文学部で学んでいきたいと書きました。文化の文脈でバレエについても言及しました。
試験は、英語の試験と小論文の試験でした。

 

〇総合型選抜で合格するために必要なことは何だと思いますか?

とにかく自分の興味関心がある分野をまずは徹底的に調べることだと思います。調べていると結局のところ、もっと幅広い知識が必要だということに気がつきます。幅広い知識を身につけることが大学に行く一番の理由になると思うので、まずは一つの分野を徹底的に研究した方がいいと思います。

 

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【合格体験記】立教大学(毎週月曜配信)

Mさん 立教大学 現代心理学部映像身体学科(定員20名) 
自由推薦入試(総合型選抜) 合格 2022年4月入学
受験について
・全体の学習成績の状況 3.5以上
・志望理由書
・英語外部テストスコア
・活動報告書
・面接(日本語)

 

〇なぜ立教大学現代心理学部映像身体学科を志望したのですか?

 

中学1年生の時から高校3年生まで児童劇団に所属していて、大学でも演劇や映像に関することを学びたいと思っていました。
高校3年生の4月に志望校を決めようと思ったのですが、演劇が学べる大学がどこかわからなかったので、ネットでとにかく調べました。検索エンジンには、有名な女優さんの名前を入れて、その方々がどこの大学に在籍しているか、または在籍していたかを調べていきました。そうした中で、私が尊敬している女優さんである古川琴音さんが立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業していることを知り、立教大学に決めました。
その他にも日本大学芸術学部や京都芸術大学多摩美術大学の映像系の学科も考えていたのですが、学費が高かったため、立教大学1本に決めました。

 

〇自由推薦入試(総合型選抜)で受験しようと思ったきっかけは?

 

演劇を6年間やってきたことと、課外活動でch FILESの学生記者をやっていたので、 自己アピールが重視される自由推薦入試の方が自分には合っていると考えていました。あと勉強よりも話すことの方が得意だったので、自分の強みを活かすことを考えたら、一般入試ではないなと考えました。
立教以外の大学を受験するつもりはなかったので、もし落ちてしまったら専門学校でお芝居を学ぼうと思っていました。

 

〇課外活動でch FILESの学生記者をやったきっかけは?

 

総合型選抜に活かそうと思って始めたわけではなく、高校2年生の秋ごろにたまたま図書館においてあるch FILESを読んでいたら、オンラインでのイベントがあることを知り、それに参加しました。ch FILESのスタッフになると、有名アーティストや俳優、社長さんにインタビューをすることができるので、自分自身も記者になってみたいと思ったのがきっかけでした。
実際にスタッフになってから、日清の社長さんにインタビューをしたり、オンラインイベントの司会をやったりすることができたので、すごくいい経験になりました。
それらを立教の提出書類である「活動報告書」に事細かく書きました。
ch FILESのスタッフは足りてないみたいなので、やってみたいと考えている人は、比較的簡単にスタッフになれると思います。


〇英語の資格は何か取得していましたか?

 

高校3年生の6月に英検2級をとりました。スコアは2199点でした。同じ現代心理学部の心理学科は英検のスコアを2300点以上取得しなければ出願できないのですが、映像身体学科はスコアに関する条件はありませんでした。


〇志願理由書で意識したことは?

 

どんなことを志望理由で書いていけばよいかわからなかったので、総合型選抜専門塾のサイト上にある過去の合格者のインタビューや志望理由書を分析しました。
志望理由書には、自分が将来やりたいことが何であるか、それを行うために必要な知識や経験が何であるか、それらを学ぶことができるのが映像身体学科であるから志望したということをまずは明記しました。
私の将来やりたいことが、「演劇教育の大切さを広めること」であったので、どうしてそのような考えに至ったのかを、課外活動でやってきた演劇での苦悩を交えながら書きました。

 

〇志望学科に関して調査はどのくらいしましたか?

 

映像身体学科という他大学にはあまりない学科だったので、その学科で行われている授業科目名などをネットで調べていました。私は質問されなかったのですが、実際に面接では授業名に関して質問されることもあるそうです。
私はその学科にいる教授の論文や書籍は読んでいませんでしたが、その代わりに、映像身体学科で学べる「演劇教育」に関する専門書を読んでいました。また、自分で書いた志望理由書を学校の先生に見てもらったときに、哲学も絡めて書いた方良いのではないかというアドバイスをもらったので、映像身体学科と親和性のあるハイデガーの本も読み、志望理由に盛り込みました。


〇面接ではどんなことを聞かれたのですか?

 

私が今までやってきた演劇や学生記者などの活動に関しては一切聞かれず、映像身体学科に関する質問をされました。映像身体学科に関する説明は立教のHPに載っているのですが、かなり抽象的に書かれています。「映像身体学とは?」という質問をされて、HPに書かれていることを述べても、そこから「具体的には?」という質問がされるので、より具体的に語ることができるように準備をしておく必要があります。私はその質問に対して「表現」という言葉を用いて映像身体学を語ったのですが、面接官から「あなたにとっての表現とは?」という質問をされました。さらに「グローバル化における表現の重要性とは何か」、「グローバル化の歴史は?」などの質問もされました。
あとは映像身体学科で何を学びたいのかをかなり深掘りされました。
やはりかなり特殊な学科なので、「映像身体学科のことをよく知っているから受験してるんだよね」というようなスタンスで面接官は質問を質問をしてきます。

 

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【合格体験記】慶應義塾大学②(毎週月曜配信)

 

Fさん 慶應義塾大学 総合政策学部(定員150名)
AO入試(総合型選抜)合格 2020年4月入学
受験について
・1次選考:書類審査
・2次選考:面接

 

〇なぜ慶應義塾大学 総合政策学部を志望したのですか?

 

私が通っていた高校は偏差値50ぐらいでしたが、探究学習に力を入れている学校でした。私も高校1年生の時から探究学習を積極的に行っていました。探究学習の成果を発表するコンテストに高校1年生の時に出場させてもらい、全国大会で賞をいただくことができました。自然科学的なことを探究していたため、高校3年生の最初の頃は理系学部を目指そうかなと思っていましたが、自分自身が納得できる志望理由を理系大学に見出すことができませんでした。そのような状況で、自分自身を振り返ったときに、自分を成長させてくれた探究学習そのものを研究していきたいと思い、慶應義塾大学総合政策学部AO入試で挑戦することを決めました。


〇英語の資格は何か取得していましたか?


何も取得していません。

 

〇高校生の時にどのような活動をしていましたか?


とにかく探究活動に没頭していました。
高校1年生の時は、自宅で飲んでいた「地下水」と地元の家庭で栽培される「柿」を組み合わせて、柿の香り付きのミネラルウォーターを作るプロジェクトを行っていました。
まずは地下水を分析してみたかったので、水質を分析してくれる企業さんに協力をしてもらい、地元の地下水だけでなく、様々な水の分析をさせていただきました。
その後、地元の各家庭で栽培されている柿が高齢化によって収穫されずに鳥獣の被害にあうという社会問題をヒントに、「地下水×柿」という商品の開発に取り組みました。
その探究成果を持って、探究学習のコンテストに出場し、高校1年生で文部科学大臣賞をもらうことができました。
高校2年生になっても新しいプロジェクトを考えて探究活動を行い、いくつかのコンテストに出場しました。地元のビジネスコンテストにも参加して入賞しました。
高校3年生になってからは、コンテストの運営側に入り、主催者のお手伝いをしていました。


〇地元のビジネスコンテストでも「地下水と柿」をテーマにしたものを発表したのですか?


地元のビジネスコンテストでは全然違うものをテーマにして探究をしていました。野菜が嫌いで食べない子供に野菜の栄養成分をとらせるためにどうしたらいいかということを考えて発表しました。

 

〇「志望理由書」や「入学後の学習計画」ではどのようなことを意識しましたか?


理系の探究をしていた私が、どうして慶應義塾大学総合政策学部で学びたいのかを中心に書くようにしました。
自分の「好き」は理学的な実験や研究にあったのですが、自分が将来どのような形で社会貢献できるかを考えていったときに、学校教育でまだまだ課題がたくさんある「探究学習」に関する仕事をしていきたいと考えていました。私自身が探究学習を通じて、コミュニケーションスキルが上がったり、大人と対等に話せるスキルが身についたりしたので、これからの日本の教育ではこのような学びがより一層重要になってくると感じていました。
慶應義塾大学総合政策学部でなければいけない理由としては、3点書きました。
1点目は、最新の教育経済学が学べるからです。なぜ教育経済学を学びたいかというと、教育経済学の手法を用いて、探究学習で身につくスキルを誰もが評価できる「物差し」で数値化したいと思っていたからです。

当時私は、探究での学びが数値化されないから、探究学習が学校教育で重要視されていないと思っていました。教育を数値化する教育経済学の第一人者である中室牧子教授が慶應SFCに在籍しているということも志望理由の一つでした。

 

〇残り2つは何ですか?


2点目は、創造実践学を学びたいと書きました。将来自分が探究を生徒に教える立場になったときに、0から1を作り出すフェーズを教えることができるようになりたいと思っていました。
そして3点目が、「先導者としてのプロフェッショナルになる」というテーマを掲げている鈴木寛教授のもとで、探究教育の先導者になるための学びを得たいと思っていました。

 

〇合格に向けてどんな準備をしていましたか?


教育経済学や探究学習、深い学びに関する本や論文を多く読みました。論文は40本近く読んだと思います。
面接で、志望理由書や学習計画書に関する鋭い質問がくると思っていたので、知識やデータをしっかりと語ることができるように準備をしました。

 

〇面接はどうでしたか?


面接官が3人いたのですが、そのうちの一人が、探究活動を通じてたまたま知り合うことができた教授だったので、緊張せずに面接を行うことができました。

 

〇探究学習において大切なことは何だと思いますか?

主体性・協働性・学びの言語化だと思います。
私の場合ですが、自分の興味関心から探究をしていたので、主体的に取り組みをしていました。
協働性について、私は同年代の仲間と一緒に探究はしていませんでしたが、大人の方たちを巻き込んで、協働的に探究をしていました。
学びの言語化についてですが、仮説を立ててプロジェクトを進めていく中で、ほとんどの場合いい成果が出ずに終わってしまうことが多いのですが、失敗しておわりではなく、失敗から学べたことをしっかりと言語化することで次のステップへと繋げていくことができます。実際に高1の時に出場して賞をもらったコンテストでも、プロジェクトで思っていたような成果が出ていなかったですが、そこに至るプロセスやなぜ失敗してしまったのかを言語化することで、自分が将来性のあるプロジェクトに取り組んでいることを聴衆や審査員の方々に知ってもらい、それで評価を得たのだと思います。

 

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【合格体験記】東京大学(毎週月曜配信)

Tさん 東京大学経済学部(定員10名程度)
学校推薦型選抜(公募)合格 2021年4月入学
受験について
・1次選考:書類審査
・2次選考:面接(口頭試問あり)

他の合格校:慶應義塾大学総合政策学部

 

〇受験した大学を教えてください。


AO入試慶應義塾大学総合政策学部を、学校推薦型選抜で東京大学経済学部を受験して両方とも合格しました。


〇どんな高校生活を送っていましたか?


高校1年生のときにエコノミクス甲子園に出場していました。
金融や経済に関してのクイズ大会で、県大会で優勝して、全国大会に出場しました。

 

〇なぜエコノミクス甲子園に出ようと思ったのですか?


学校の先輩からその大会のことを聞いていたのと、経済に関して興味関心があったからです。
父親が経済学を専門的に研究していた人だったので、家に経済学の本がたくさんあり、小さいころから経済に関して興味関心がありました。

 

〇その他にはどのような活動をしていましたか?


通っていた学校が、論文を在学中に書くことを卒業単位に組み入れていたので、どうせ書くのであれば海外でリサーチしてすごいものを書きたいと思い、高校2年生で留学に行きました。

 

〇どこの国に行ったのですか?


ガーナに1か月ぐらい留学していました。アメリカとかイギリスだと自分の中でのインパクトが弱かったので、どうせなら皆が行かないような国に行こうと思い、ガーナに行くことを決めました。留学エージェントのサイトでガーナ留学を見つけて、興味を持った感じです。

 

〇論文のテーマは?


論文のテーマを決めるために、ガーナに関する文献をネットであさっていたら、「マーケットマミー」という個人で小売業を営む女性商人のことを知りました。女性中心に流通経済が行われている国は珍しかったので、研究テーマを「マーケットマミー」にしました。
実際にガーナでは、マーケットマミーの方々にインタビューをしました。
また、留学エージェントからのミッションもあり、2日に1回、ガーナの中学校に行って、地元の中学生に2時間、西洋の人権の考え方を英語で授業していました。プリントなども自分たちで用意していました。

 

〇留学後は?


県内の高校生で、課外活動を積極的に行っている人達を集めて、高校生でもいろいろな活動ができるということを紹介するイベントを開催しました。地元紙にアポを取って、自分たちのイベントのことを話し、新聞にイベントの告知をしてもらいました。おかげさまで来場者は400人近くになりました。
この取組をストーリー化してマイプロジェクトアワードに出場したところ、地区大会で最優秀賞を頂き、全国大会に出場することができました。

 

〇大学受験に関してはいつから考え始めましたか?


マイプロジェクトアワードへの全国大会出場が決まったことで、慶應義塾大学AO入試や東大の学校推薦型選抜で勝負できると考え始めました。

 

〇入試に向けてどんな準備をしましたか?


慶應義塾大学総合政策学部は「課題発見・解決」の力を学生に求めているので、ガーナのマーケットマミーの論文を課題解決型の論文に修正しました。ただのリサーチ論文ではなく、マーケットマミーの問題点を発見し、解決策を提示するものに変えました。
教養がしっかり学べる東京大学を第一志望にしていたため、共通テストの対策もしていました。


〇英検は?


高校2年生のときに準1級を取得しました。

 

東京大学での面接試験について教えて下さい。


東大の面接は口頭試問もあり、私の場合は英語と数学の問題が面接の場で出されました。
英語は英字新聞を出されて、その場で音読と要約をするように指示されました。
数学の問題については、面接会場にホワイトボードがあり、そのホワイトボードに問題を解くように指示されました。問題のレベル的は共通テストよりも少し難しい程度です。難問を解かせるというよりも、導出過程を見られるという感じです。問題を解き終えた後に、面接官から「ここはどうしてこのような方法を用いたのか?」というような質問をされました。

 

〇その他面接で聞かれたことはありますか?


提出書類として、私はガーナのマーケットマミーに関する論文を提出したのですが、その論文について質問されました。その質問が自分の想定していたものとは異なり、鋭い批判であったため、上手く答えることできず、正直「落ちた」と思いました。


〇合格する上で大切なことは何だと思いますか?


正直、実績や単純な頭脳勝負では推薦での合格は難しいと思います。自分がこれまでやってきたこと、これからやっていきたいことに対してどれだけ情熱を持てているのかをしっかりと伝えることが大切だと思います。
私の場合は、ガーナでの経験を通じてより経済学に興味関心を深めることができました。また、深く探究してきたからこそ、大学でしか学べないものがあるということを知ることができました。
学びへの情熱が大切だと思います。

 

 

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【合格体験記】千葉大学(毎週月曜配信)

Fさん 千葉大学 文学部人文学科国際言語文化学コース(定員10名) 
学校推薦型選抜(公募) 合格 2022年4月入学
受験について
・小論文
・面接(日本語・英語)45分

 

〇なぜ千葉大学文学部人文学科国際言語文化学コースを志望したのですか?

さいころにドイツで過ごしたことがあって、ヨーロッパの生活文化に興味をもっていました。千葉大学に関しては、地元が千葉県だったので高2頃からぼやっと千葉大学を志望校と考えていました。千葉大学の学校推薦型選抜を受験する上で、武蔵大学人文学部の総合型選抜を併願で受けていました。

 

〇小論文の試験で意識したことは?

テーマと知っている情報を結び付けて論理立てて書くことを意識しました。テーマは文学部に関するようなもので、割と専門的な知識がないと書けない感じでした。

 

〇面接はどのような感じでしたか?

日本語と英語での面接がありました。
日本語での面接は、書類で提出した志望理由を基に面接官である教授が質問をして、それに答えていました。

英語での面接は、英語検定の面接のような形で、質問内容はこちらもまた志望理由書に書かれてあることに関する質問でした。以前ドイツに住んでいたことがあることを志望理由書に書いていたので、「日本とドイツの文化の違いを実体験を踏まえて教えてください」という質問がありました。

 

〇英語の資格は何か取得していましたか?

英検2級を取得していました。2級は中学3年生の時に一度取得していたので、高校2年生の第3回目の時に再度受験して大学入試に使えるスコアを作っておきました。

 

〇受験に向けてやっていてよかったことは何かありますか?

いくつかあります。
1つ目は、自分が受験する学部学科に在籍している教授の名前と研究内容を調べていたことです。特に自分が興味ある分野の教授の書籍をAmazonで購入して、しっかりと読んでいました。実は読んでいた本の教授が日本語での面接官でした。実際に教授の研究テーマに関する質問はでませんでしたが、志望理由を語るときに、教授の研究テーマに対してとても興味があることをしっかりとアピールしました。
2つ目は、面接対策をしっかりと行ったことです。学校や塾で面接練習を何度も行いました。特に私が通っていた塾は他の塾とは違っていて、生徒は事前に予習をしてきたことを在籍する先生に対して「授業」していきます。つまりアウトプットを重視した塾ということです。もちろんアウトプットして終わるのではなく、先生から鋭い質問やツッコミをもらい、自分のプレゼンスキルを磨いていきます。面接練習でも、塾の先生からたくさんツッコミをもらっていたので、どんな質問にも答えることができるようになっていました。
3つ目は、英語に関してです。私はリスニングがあまり得意ではなかったので、英語での面接に向けてしっかりとリスニングの対策を行いました。英検の2次試験の過去問を使って、面接でよく聞かれる質問を聞き取れるようにしました。また、英語でのスピーキングも、日本語の面接で聞かれるような質問をすべて英語で答えることができるように準備をしました。

 

〇志望理由書で意識したことは?

志望理由書での私の主要な軸は、自身の将来の夢にありました。私の夢は、ヨーロッパの美しさを皆さんに伝えるツアーコンダクターになることです。そのためには、ツアーコンダクターに必要な資格や大変さについても詳しく記述しました。また、学生時代にはダンス部に所属して協調性を学んだ経験も、ツアーコンダクターとしてのスキルにつながると感じ、志望理由書に加えました。

この将来の目標を達成するためには、千葉大学文学部人文学科国際言語文化学コースが最適である理由も説明しました。具体的には、このコースに在籍している教授たちの研究分野を引き合いに出して、ツアーコンダクターとして必要な知識を身に着けることができることを強調しました。

入学してみて非常に残念であったのが、私が興味を持っていた分野を担当していた教授が私とすれ違う形で定年退職をしてしまったということでした。

その教授はいなくなるという理由で、落とされなくて本当によかったです。

 

 

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【合格体験】早稲田大学(毎週月曜配信)

Sさん 早稲田大学 社会科学部(当時定員47名)
全国自己推薦入試(総合型選抜)合格 2021年4月入学
受験について
・1次選考:書類審査
・2次選考:小論文、面接

他の合格校:慶應義塾大学総合政策学部立教大学法学部(法学部全体で8名)

 

〇総合型選抜で受験した大学を教えてください。

慶應義塾大学総合政策学部立教大学法学部、そして早稲田大学社会科学部です。
この順番で受験をして、すべて合格しています。

 

〇いつから総合型選抜で受験をしようと思っていたのですか?

高校1年生の夏頃です。高2の夏から一年間アメリカに留学したいと考えていたため、1年間の留学に行くなら一般選抜よりも総合型選抜の方が自分にあっていると思いました。
早稲田の全国自己推薦入試では、評定平均が4.0以上必要であったため、学校の勉強もしっかりやっていました。

 

〇なぜ留学したかったのですか?

私の家のお隣さんがアメリカ人の方で、よく家族で交流をしていたこともあり、留学に興味がありました。
また私自身が聴覚に障害を持っていたことで、学校で苦しい思いをしてきました。多様性が尊重されるアメリカに行って多くのことを学びたいという気持ちがありました。
高1の時に留学についていろいろと調べて、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」に申し込み、2年の時に選抜試験に合格し、奨学金を使って2年の夏から1年間留学をすることができました。
英検も高校1年の第2回に申し込んで、英検2級をその時に取得しました。

 

〇その他どのような活動を高校生でやっていましたか?

高校1年生から文部科学大臣杯全国青年弁論大会に出場し、最優秀賞を頂きました。また、部活動では薙刀なぎなた)部に所属していて、全国大会に出場。留学先のアメリカでも毎週末にボランティア活動をしていました。

 

〇弁論大会に出場したきっかけは何ですか?

弁論大会に出場したきっかけは、高校受験での失敗がきっかけだと思います。第一志望の公立高校に合格することができず、不本意な気持ちで私立学校に通っていたのですが、高1年の担任の先生が、そんなモヤモヤしていた私に弁論大会を勧めてくれて出場しました。

 

〇総合型選抜に向けてどのような準備をしていましたか?

最初に受けるのが慶應義塾大学総合政策学部だったので、2000字の志望理由書作りと任意提出書類の作成を行いました。
志望理由書では、「政治家になりたい」というのを軸に、過去・現在・未来を繋げて書くようにしました。
原体験として、聴覚に障害があったことで中学校の先生から「障害者」というレッテルを貼られ、中学校時代は表立って行動することを抑制されているように感じました。学級委員長に立候補しようとした際も、障害があるから止めた方がいいよと言われたりもしました。日本の政治を見ても、障害を持つ方が政治家になれていない、または政治家になりにくいという現状がありました。一方、留学先のアメリカでは、マイノリティーの人達が活き活きと生活しているのを見て、「日本はマイノリティーに配慮を欠いている」と思いました。大学では、障害を持つ人が政治の世界で影響力を持つにはどうしたらいいか、「熟議民主主義」を推し進めていくためにはどうしたらよいかを学んでいきたいと書きました。
任意提出書類は、賞状などをただPDFとして送るのではなく、スライド上に入れ込み、賞をもらうまでの過程をストーリーにして、読み手が理解しやすいようにまとめて提出しました。

 

立教大学早稲田大学は?

立教大学は法学部政治学科、早稲田大学は社会科学部であったので、慶應に提出した志望理由書を削る形で提出しました。
早稲田大学社会科学部では小論文試験があったので、その対策として『これからの日本の論点』を過去3年分読み、『朝日けんさくくん』を使って時事問題を学んでいました。また、小論文を実際に書いて、親に添削をしてもらいました。
実際の早稲田の入試では、『これからの日本の論点』を読んでいたおかげで、小論文を難なくこなすことができました。
面接では、志望理由書に書いたことについて質問をされたのですが、慶應のときの2000字の志望理由書を800字に削って志望理由書を提出しているため、聞かれる質問はだいたい削った部分に関することだったので、余裕を持って答えることができました。
立教大学の方では、口頭試問で政治のことが聞かれるのですが、これも『これからの日本の論点』を読んでいたため、自信を持って答えることができました。


慶應と早稲田の総合型の違いは何だと思いますか?

早稲田大学社会科学部はとにかく高校時代の実績が大切だと思います。何かのコンテストで賞をとっていないとまず書類審査が通らないと思います。
一方で、慶応義塾大学総合政策学部の方は、高校時代に取り組んでいたことをきっかけに、大学で何を学びたいかを論理立てて語ることが一番大切だと思います。仮にアクションを起こして上手くいかなかったとしても、それをしっかりと分析して、今後何を学ばなければその問題を解決することができないのかを明確にしていくことが大事だと思います。

 

 

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