新しい教育へ〜長澤佳則〜

教育コンサルタントとしての活動報告をしております

起業家の資質‐第1回目‐

起業家に必要な6つの資質

『起業家の資質』という題名の今回のブログは、実際に起業を経験された方々にインタビューをして、起業家として必要な資質は何であるのかを深掘りしていきます。

LinkedIn創業者であるリード・ホフマン著の『スタートアップ的人生戦略』で紹介されている資質をいくつかピックアップして、それに関するエピソードを実際に起業された方から聞いてきました。


リード・ホフマンが言う起業家に必要な資質は以下のものです。

・他人にない自分の強み

・市場調査能力

・変化への適応能力

・人脈作り

・偶然の幸運

・リスクを見分ける能力

 

株式会社アット・アップ 永友佑星 社長


第1回目の今回は、株式会社アット・アップを起業された代表取締役社長の永友佑星さんです。一般社団法人プレゼンテーション協会の理事も務めていて、先日プレゼンテーション協会のセミナーで交流させていただきました。

株式会社アット・アップは通信業界の接客現場をメインに教育や支援を主な業務としているコンサルティング会社さんです。


市場調査能力


永友社長は29歳で現在の会社を起業されましたが、それまでは某大手通信キャリアで営業をされていました。「顧客目線ではない利己的な販売方法」に対して疑問を持ち、顧客を大切にする接客の仕方や営業の楽しさなどを現場で伝えていました。営業向けの研修は当時からありましたが、どの研修も現場のことを知らない人が講師を務めていて、現場の営業が求めているものを研修で得ることはできなかったそうです。永友さんは、そんな研修の在り方を変えようと、社内で意見を言っていたそうですが、大手企業の腰は重く、研修のやり方が変わることはなかったそうです。他の会社の研修なども調査したところ、現場で役に立つ研修を行っているところがほとんどなかったそうです。

「現場をよく知った人の研修がないなら自分が立ち上げればいい」

そう思った永友さんは、現在の会社であるアット・アップを起業しました。


人脈が幸運をもたらし、起業のリスクを下げる


永友さんが特に大切にされていることは人脈です。

サラリーマン時代から取引先との付き合いを大切にしていて、取引先の社長ともつながることが多かったそうです。会社を辞めて起業する際には、様々な社長が「永友が起業するなら全力で応援するよ」と声をかけてくれて、抱えきれないほどの仕事の依頼を受けたそうです。一般的に起業するとなると、最初の数年間は仕事の依頼が少なく、金銭的に厳しい生活を送らなければいけませんが、永友さんの場合は、会社員時代から「人とのつながり」を大切にされていたからこと、仕事の依頼という幸運を引き寄せることができたのだと思います。また、人脈があったからこそ、起業に伴う経済的な苦しさを回避することができたのだと思います。


自身の強みと社会の変化への適応


株式会社アット・アップは、これまでに多くの研修活動を行ってきました。

・携帯キャリアショップ研修 約150店舗

・キャリア社員・店舗スタッフ向けの集合研修 約200回

・オーナー向け講演会 約50回


永友さんの強みは何といっても「人の感情を動かすプレゼン能力」だと思います。聞き手の気持ちを想像しながら、わかりやすく説明していく。抽象的な話と具体的な話を行き来しながら聞き手に寄り添って話をしていく。この能力が高かったからこそ、会社員時代も営業マンとして優秀な成績が残せて、起業する際にはいろいろな社長さんの心を動かせたのだと思います。


冒頭にも書きましたが、永友さんは現在一般社団法人プレゼンテーション協会の理事も務められています。

社員のプレゼン力向上に努める会社が増えている昨今、株式会社アット・アップはプレゼンに関する研修も手掛けています。社会のニーズに応じた事業の拡大です。


またプレゼンテーション協会は、「全国高校生プレゼン甲子園」という高校生向けのプレゼン大会も開催しています。

学校でもプレゼン活動が増えてきていますが、なかなか「プレゼンの適切な指導」まではできていません。生徒だけでなく教師も含めて、人の感情を動かす永友さんのようなプレゼンができるように、研修を受ける必要があると思います。

 

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これからいろいろな起業家にインタビューをしていきながら、起業家に必要な資質に関する具体例をどんどん集めていきたいと思います。

永友社長、お忙しい中インタビューを受けてくださり、誠にありがとうございました。

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