新しい教育へ〜長澤佳則〜

教育コンサルタントとしての活動報告をしております

驚きのフィリピン文化

私が勤めている学校で行われているフィリピン語学研修の下見で、3泊4日でセブ島に行ってきました。
今回でフィリピンに来るのは3回目。
コロナ前に語学研修の引率で来たときは、セブ島ではなく、マニラから車で3時間ぐらいのクラークという地区でした。
クラークの学校が今回使用できないということで、セブ島にある日本人が経営する語学学校に変更になりました。

私のセブ島のイメージはハワイやグアムのようなリゾート地。
島全体がある程度行政の働きで統一感あるきれいな場所となっているものと勝手に思い、マニラで見たようなトタン屋根が連なるスラム街などないと思っていました。

ところが、、、

セブ島で1位、2位を争うリゾートホテルへ行く道でトタン屋根の家がずらり。
ガイドさんに話を聞くと、不法で家を建てちゃっているものも多いそうです。
電線も勝手に引っ張ってきて盗電。
ガイドさんは別の地区に住んでいるとのことですが、電気代がいきなり高くなった時があり、調べてみると自分の家の電線を使って電気が盗まれていたらしいです。
また、不法に出来上がったスラム街で火災があり、そこ一帯が全焼してしまうこともあるとのこと。
漏電が原因で火災が発生したといわれていますが、そこにショッピングモールができたことで、行政が意図的に放火したのでは、、、という噂もあるそうです。

もちろん生徒が利用する語学学校やリゾート施設周辺はセキュリティーがしっかりしていて、とても安全な場所でした!!

また、ガイドさんからその他にも興味深い話を聞いたので、紹介したいと思います。

フィリピン人の平均日給は600ペソ(今のレートだと1500円ぐらい)。
スラム街周辺の市場であれば、パンは10ペソ(25円ぐらい)以下で買えます。
一方で、ショッピングモールのパン屋さんでパンの値段を見てみると100ペソ以上で売られていました。
私の好きな「パンオショコラ」は120ペソ(300円ぐらい)で、フィリピンのモールは物によっては日本よりも物価が高かったです。
さらに驚きなのが、モールにいる人は地元の人がほとんど。
コロナの影響で観光客はほとんどいません。
平均日給が1500円ぐらいの人たちが300円のパンを買っているのを見て、衝撃的でした。

ガイドさんに、なぜ平均日給が1500円のフィリピン人が物価が日本と同じぐらいのモールで買い物ができるのかと尋ねると、「出稼ぎ文化」がフィリピンにはあるからとのことでした。
例えば10人家族で、その中の24歳の娘が日本に出稼ぎにきたとする。日本で稼いだお金をフィリピンにいる家族に送るわけですが、送られてくる金額によっては、出稼ぎに行っている娘以外の家族は仕事をやめちゃったりもするそうです(一生懸命働いても日給1500円ですからね、、、)。さらに娘が他国で稼いできたお金を娘の将来のために貯金しておくといったこともなく、生活費として家族皆ですべて使い果たしてしまうそうです。
だから日本と物価が同じモールで買い物をすることができているのです(他にも理由はあると思いますが)。


来年の3月、生徒たちは語学を学びにフィリピンに行くわけですが、それ以上に日本との文化の違いや他国の社会問題を考える貴重な体験を得ることができると思います。

留学の素晴らしさを改めて痛感しました。

【リゾートホテル】

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【スラム街】
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